物理量記号はイタリック(斜体)のラテン文字またはギリシャ文字で表す。
この量記号は無次元の場合を除き,「数」と「単位」を含む内容を表す。
例:長さl が2mを表す場合 l = 2m と書く。数値の場合,単位を括弧 ( )で括る必要はない。
また,長さa (m)を表す場合,単位を括弧 ( ) で括り表す。
なお,読みやすくするため,数値と単位の間に1/2〜1の空白を入れてもよい。
(1)演算記号: d(微分), e(exp), sin, Tr 等 や 虚数単位: i, j はローマン(立体)で表す。
注:(1)積の記号(×,・」):物理量記号(イタリック)や単位記号(ローマン)の積を表す場合,積の記号は省略してよい。
例:Nm = N・m = N×m
(2)商の記号(/,( )-1):誤解を生じないよう,商記号は使わないようにつとめる,あるいは1回しか使用しない。
例:J/(mol K) = J mol -1 K-1
(3)小数点は「.」あるいは「,」で表す。3桁ごとの区切りを示すには1/4から1/2のスペースを用いてもよい。「,」は欧州で用いられること多い。
物理量を示す式: 等号( = ) の両辺では単位を含めて一致しなければならない。
この物理量記号は「単位」を含めた値を表している。従って,「物理量記号/単位」を用いて式を表示する。
例:ΔG /J mol-1 = -238100 + 73.22T /K
「物理量記号/単位」を用いて表わす。なお,物理量の名称を付記し,「物理量の名称,物理量記号/単位」として表してもよい。大きな値や小さな値を表す場合は「物理量記号/10n×単位」で表す。
例:t /s
moment of force, M /Nm
T -1/10-3K-1,
T /K = 1000 Kの時 T -1/K-1 = 10-3 K-1 となる。この場合,当該目盛を1.0とできる。
○物理量記号,変数: g (重力加速度),H (磁場) 等
○物理量, 番号に対応する添え字:Fe1-x Nix , Xn (n -th) 等
○座標: x -axis 等
○ラテン語の省略形: et al. , in situ , ibid. 等
○なお,ベクトルはボールドイタリックを用いる。a, b, c 等
○単位: km, K, Hz 等
○虚数単位: i, j
○演算記号: d(微分), e(exp), sin, Tr 等
○元素記号: H, Pd, Fe 等
○言葉の意味を表す文字:k B(B:Bolzmann), C g(g: Gas) 等
○すでに英語化しているラテン語: i.e., etc., vs., via 等
「物理量記号/単位」,あるいは「物理量の名称,物理量記号/単位」として表す。また, 大きな値や小さな値を表す場合は「物理量記号/10n×単位」で表す。:t /s; moment of force, M /Nm; T -1/10-3K-1
○圧力 Pa(= N/m2), atm(気圧), Torr, bar : Paを使用。
(例)標準大気圧
1気圧(1 atm)=760mmHg =760 Torr = 760*10-3×13.6 *103kg/m3×9.8m/s2 (N/m2)
=1.013×105Pa(=N/m2)=1013hPa=1013mbar
=0.1013MPa
1Torr = 1mmHg ≒ 133Pa
10-6Torr ≒ 10-4 Pa
bar:1m2につき100000Nの圧力
1mbar=100Pa≒0.75Torr≒1Torr
○濃度(含有率)
質量濃度 mass concentration ,ρ,単位 kg/m3
モル濃度 molarity ,c ,単位 mol/m3
電気化学: イオンの当量濃度(規定度 normality, N)はmol/m3で表す。
(例)1N H2SO4 = 0.5 kmol/m3H2SO4
○組成の表示
(例)Composition, mass%Fe
Concentration of Fe, c /at.%
c /at.% Fe