ラジオの動作原理

ラジオの動作原理

 最も基本的なラジオ(鉱石ラジオ)の回路構成


   アンテナ → 同調回路 → 検波回路 → イヤホン


アンテナ :電波をとらえ高周波電流に変える。アンテナとアースは大きな音を得るためのポイントとなる。

同調回路:周波数の選局。 コイルとコンデンサーの共振回路で構成される。
 共振周波数 fは f = 1/{2π( L C )1/2} で与えられる。
 コイルのインダクタンスL(〜300μH)より,f〜500kHzとするには,バリコンの容量Cを300pF程度とすればよい。
 共振回路の Q (Quality factor):共振の鋭さをあらわし,直列共振回路の Q は次式で与えられる。
  Q = f0 / Δf = 2 π f0 L / R = 1 / ( 2 π f0 C R ) = ( L / C ) 1/2 / R
 ここで, f0 は共振周波数,Δf は共振周波数の帯域幅を意味する。Rは共振回路の電気抵抗である。
 この関係式から Q を大きくするためには,RとCを小さくし,Lを大きくすればよいことが分かる。  中波受信用のバーアンテナの場合 Q は100〜300程度はあるので,帯域幅Δfは10kHz程度となる。

検波回路 :高周波電流を低周波電流に変えることで音声の周波数を取り出す。ダイオード,コンデンサー,抵抗を用いて構成される。ダイオードは電流の片方の成分をカットする。高周波電流の上下には同じ音声信号が含まれているのでそのままでは打ち消しあってしまうためである。コンデンサーは検波された高周波電流から高周波成分を逃がす役割をする。コンデンサーと抵抗を組み合わせた回路は「ローパスフィルター」と考えることができる。なお,コンデンサーは次のイヤホンを用いることで代用する。

イヤホン:鉱石ラジオでは電流はほとんど取り出せないため,電圧駆動型のクリスタルイヤホン(高インピーダンス:100kΩ位)を使う。
この鉱石ラジオに増幅回路を組み込むことで立派なラジオになる。