光ヘテロダイン干渉法の原理:
参照光と信号光の電場成分をそれぞれEr,Esとし,次のように表す。
Er = ar cos(2π fr t + φr) (1)
Es = as cos(2π fs t + φs) (2)
ここで,ar,asはそれぞれ参照光,信号光の振幅を意味する。fr, fs,φr,φsはそれぞれ周波数および位相を表す。この二つの光を重ね合わせると,検出される光強度I は次のようになる。
I = <|Er +Es|2>
=(ar2 + as 2)/2 + 2 ar as cos[2π(fr -fs) t + (φr -φs)]
=(ar2 + as2)/2 + 2 ar as cos[2π fb t + Δ] (3)
ここで,< >は時間平均を表す。fb = fr -fsは「光ビート周波数」,Δ= φr -φsは「位相差」を意味する。
光検出器で検出される光電流成分は,(3)式の第1項(ar2 + as2)/2が直流成分となり,第2項が周波数fbの交流成分となる。光ヘテロダイン干渉法は,光ビート信号の振幅(2 ar as ),周波数( fb ),および位相(Δ)を電気的に計測し,光信号の振幅( as ),周波数(fs ),および位相( φs )に含まれる情報を取り出す方法である。